ペットが高める主観的健康感とは

ペットが高める主観的健康感とは  

犬猫の「世話」をたくさんしている人ほど長生き?

東京都立大学名誉教授の星医師らが、全国16市町村に住む高齢者約2万人を調査し、その後2年間の生活や健康状態との関係を調べたところ、犬猫を飼育している人たちの2年後の生存率が飼育してない人より明らかに保たれていた。

そして「飼う」だけでなく、犬猫の「世話」をたくさんしている人ほど長生きできるのだという。

「犬や猫を世話する高齢者は、外出回数が多くなり、結果的に主観的健康感が高く、これらの影響を受けて最終的に犬や猫を飼っていない人より長生きになることがわかりました」と星医師は言う。

   

主観的健康感とは

主観的健康感とは、「自分は健康だと思う気持ち」のこと。海外で約7000人を対象に、9年間追跡した大規模研究では、年齢や性別、身体的健康、健康習慣、社会的ネットワーク、収入、教育、抑うつ、幸福感を調整しても、生存期間にもっとも関連するのは、主観的健康感だったと報告されている。

高齢者の認知症を予防し、改善する可能性も

単に寿命が延びるだけではない。星医師によると「高齢者の認知症を予防し、改善する」という。

「メカニズムは明らかではありませんが、世話をしたりかわいい猫がいるから死ねないというような飼うことへの責任感が関係しているのでしょう。

またペットは飼育にかかる費用はかかるものの、ペット飼育者が医療機関を受診する回数は、非飼育舎よりも少ないという国内の報告があります。

海外でもペット飼育者は非飼育者より医療機関に行く割合が10~15%低く、犬の飼育者が毎日犬と散歩すれば、年間で17億5000万ドルのヘルスケアコストが削減できるといった報告があります。」

          

犬を飼うことのメリット

ペットの中でも、特に犬に関しては国内外に膨大な研究報告がある。

例えば犬を飼っている高齢者は活動量が多く、肥満が少ないといった特徴がある。

72歳から81歳の高齢者を対象にしたアメリカの研究では、犬の散歩を週3回、150分以上行う人は、そうでない人よりも運動機能が高いことがわかった。

日本の研究でも、犬を飼育している人は身体活動量が1.5倍多い。

しかし、犬を飼う良さは健康効果だけではない。

「それは、犬は絶対に人を裏切らないことです。人間は裏切ることもありますが、犬は飼い主に全幅の信頼を寄せています。

無条件に愛します。自分の絶対的な見方で、全力で愛してくれる存在がいる。それは人が生きていくうえで不可欠ではないでしょうか」と星医師は言う。

実際にオーストラリアの研究で、ペットを飼っている人ではうつや不安の診断を受けた人が少ないという結果が出ている。

また「孤独である」と回答した人は、ペットを飼っている人では明らかに少なく、「めったに孤独だと感じない」「全く孤独だと感じない」と回答した人が多くいたという。

子供たちの心も育まれる。

「子供の成長過程にペットが果たす役割については1980年代から化学的に検証されています。

一例としてスコットランド地方に住む7~12歳の子供たち1000人以上を対象に行われた調査では、子供たちはペットを愛し(80%)、ペットは最愛の親友で(76%)いなければ寂しく(62%)、自分が不機嫌な時にペットはそれに気づいている(52%)と答えています。

さらにペットの世話するようになり、友人にも親密に接するようになって、人に対する思いやりも育つことがわかりました」と星医師は言う。

ペットを飼育することで子供の幼少期には考える力や理解力、判断力が活性化され、思春期には自尊心や責任感が育まれるとともに、社会的な適合力が発達するという。

高齢者と同様に子供たちも、犬を飼うと一日の歩数が多くなり、活動的になって肥満予防の効果もある。

犬の介護療法(ドラックセラピー)により、手術後まもない子供たちの肉体的な痛み、精神的苦痛が軽減されることも明らかになった。

一方で健康面のマイナス要素としては、ペットを飼うことでアレルギーや呼吸器疾患、皮膚疾患、消化器疾患が増えると指摘されている。

だが、子供が出生して1年以内に家に猫や犬がいると、アレルギー症状をもつ子供の割合が少なくなるという海外の調査がある。

そのため星医師は「できれば子供が生まれる前からペットを飼うこと」を進める。ちなみに高齢者の場合はアレルギーが起きにくいため、年を取ってから飼うのは問題ない。

動物たちが教える「今ここ」の生き方。

ここまで科学的根拠をもとに人への心身への健康効果を書いてきたが、人は動物から「学ぶべき点」もあるのではないだろうか。

以前、犬を飼うある著名人を取材した際、その人は「動物は今を生きている」と言っていた。

人はつい過去に起きたことに振り回され、未来を勝手に予測して不安になり、「今」を 心から楽しめない。

けれども動物たちは一瞬一瞬を生きている。その様子を見られることがうれしい、とその人は言っていた。

動物の死に様から学ぶもの

獣医師の斎藤明子氏は「動物たちが要求するのは些細なもの」と笑う。

「それは暖かい寝床と、満足のいくごはん。だからさっきごはんをもらったことを忘れて、今くれるおやつのことに夢中になったりね。そんなときはかわいいですね。」

そして「私は動物の死に様を見るたびにたびに考えさせられる。」と語る。

「不謹慎と捉えられるかもしれませんが、動物の死に様は美しい。実は一昨年、生後3か月から16年間、飼った犬を亡くしたんです。

16歳になったころから急に足腰が悪くなり、寝てる時間が多くなりました。けれども死ぬ3日前まで、よぼよぼしながらも自力で歩いて散歩に行ったりした。

彼らは最後まで生ききるんです。自分が死ぬなんて思ってもないし、悲観的な気持ちも、恨みもありません。

それを目の当たりにすると、自分がどう生きたいのかを問われている気がします。」

今、ごはんを食べている。今、暖かい部屋にいる。「今ここ」に集中することで、心は満たされていく。

動物とともに瞬間を楽しみながら暮らしていく日々は、豊かな時間の積み重ねとなるに違いない。

雑誌プレジデント、「あなたVSペット」より引用

   

ブログ作者の感想

主観的健康感とは初めて聞きました。それは「自分は健康だと思う気持ち」それが寿命にも影響するとのことは驚きです。悲観的にならず楽観的に考え、今の幸福感を認識することなのでしょうかね。ペットを飼うことは子供にも、疲れた大人にも、高齢者にも心身ともに良い影響を与えるのは納得です。責任感、信頼感、孤独の解消、無償の愛など様々な気持ちを抱かせてもらえます。そして「今」を一生懸命生きる動物たち、その姿に人間も大切な何かを学ぶのでしょうね。

ネコは飼い主の居場所を気にしている

飼い主の声がする場所が予想外に変わると、おどろいた反応をみせた

ネコが、目に見えない物体の存在を心の中にとどめておけることはこれまでの研究でわかっていた。しかし、その能力が実際の行動でどのようにいかされているかは、不明だった。

京都大学の高木特別研究員らの研究グループは、人と一緒に住んでいるネコを用いた実験により、ネコが飼い主の居所を心の中にとどめていることを明らかにした。

実験は、1匹の猫がいる部屋の内側と外側(ネコからは見えない場所)にそれぞれスピーカーを置き、ネコに音を聞かせる方法で行われた。

スピーカーの距離は4メートル以上確保した。そして部屋の中にいるネコに対して、飼い主がネコの名前を呼ぶ声を部屋の外から5回つづけて聞かせ、そのあとすぐに部屋の中から同じ音声を流したりして、ネコの反応を観察した。

その結果、ネコは部屋の中から飼い主が名前をよぶ声がしたときに、驚いた反応を示したという。

つまり、ネコからすれば、飼い主は部屋の外にいると思っていたのに、突然、部屋の中から飼い主の声が聞こえたため、戸惑ったというわけだ。

チャイムの音やほかのネコの鳴き声を用いて同様の実験を行ったところ、ネコが音源の位置の変化を気にするようすは確認できなかった。

一般に、ネコは犬よりも愛情表現が少ないと考えられているが、飼い主の居所はネコも気にかけているようだ。

雑誌、ニュートンより引用

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