ゴマの機能性について

ゴマ市場

ゴマ由来素材の市場拡大が続いている。サプリメントでは、セサミンに代表されるゴマリグナンの認知度が高く、シェアトップのサントリーウエルネスを筆頭に、健康維持・増進の定番として男性層を中心とするリピーターユーザーが拡大している。

味や香りのよさに加え、いりごまやすりごま、ペーストとしてあらゆる食品との組み合わせが可能な点も追い風に、一般加工食品、製菓関連まで幅広い分野で活用が進んでいる。

市場には、微粉末化した新規原料や、オイルの機能性表示食品、トクホも登場している。

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市場シェアは、セサミン研究・開発実績30年以上の実績を持つサントリーウエルネスが６０％以上を占める。

セサミンを用いた機能性研究では、自律神経活動機能の亢進を介した更年期障害症状の緩和や動脈硬化の予防、女性の更年期障害に対する自律神経機能改善効果、血管弾力性改善作用、日常疲労に対する効果と肝臓保護作用など数多くの研究成果を発表。

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オイルのトクホや機能性表示食品も。

サプリメントだけでなく、ごま油でも、ごまのセサミン、セサモリンに着目した商品開発で、新たなトクホや機能性表示食品が登場している。

ごま油最大手のかどや製油（株）は、一昨年の機能性表示食品「かどやのカラダサポートごま油」に続き、昨年2月に開発期間10年を要したごま油業界初のトクホ「健やかごま油」を上市。許可表示は「本品はセサミン・セサモリンが含まれており、血清LDLコレステロールを減らすのを助けます。血清LDLコレステロールが高めの方におすすめします。」

日精オイリオグループは2月25日、セサミンとセサモリンを機能性関与成分とするごま油の機能性表示食品「日精ヘルシーごま香油セサミンプラス」を上市。

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ごま1粒の１％未満「リグナン」

ゴマで注目される栄養成分は、その大半を占めている不飽和脂肪酸にある。 特に、ゴマ1粒にわずか０．５～０．７％程度しか存在しないリグナンは、抗酸化成分を豊富に含むため、他の不飽和脂肪酸よりも酸化しにくい点を特徴とする。

ゴマの代表的なリグナンには、セサミン、セサモリン、セサミノール、セサモールなどがある。

リグナンは、カルシウムやマグネシウム、鉄、リン、亜鉛などのミネラル分やタンパク質、食物繊維、ナイアシン、ビタミンA､B1､B2､B6､E他､脂質としてオレイン酸やリノール酸を豊富に含む。

脂質に次いで多いタンパク質は約２０％で、必須アミノ酸８種類を含む。 機能性としては、抗酸化作用、活性酸素の生成抑制、肝臓機能の強化、抗老化、免疫力向上、コレステロール抑制などの作用が確認されている。

また、ゴマから抽出されるゴマリグナン、ゴマペプチド、黒ごま表皮、ゴマ若葉には、ポリフェノールなどの有効成分が含まれる。

サプリメントで注目される黒ごまは、種皮の割合が多く、黒色にはブルーベリーと同じアントシアニンが含まれており、その分カルシウムなども他種のゴマより多く含まれている。

ゴマの起源について

アフリカやインドを原産とするゴマは、紀元前３０００年以前にナイル川流域ですでに栽培されていたとパピルスに記載されている。

クレオパトラはごま油でパックをしていたという事実も示されている。

胡麻は中国の西方ペルシャ（現在のイラン、イラク地方）にあった胡の国からきた麻の種に似た種子ということで、「胡麻」と呼称されるようになった。 なお、胡の国から伝えられたものには、胡瓜、胡桃、胡椒、胡弓などがある。

日本へ伝わるきっかけを作ったのは仏教伝来（５３８年）といわれているが、古く縄文時代の遺跡からも胡麻の種子が見つかっている。

伝来当初は貴重な灯用として用いられ、平安時代以降に食用に用いられたという説もある。 また、料理にゴマを加えて味をより美味しくできることが「ごま化す」の語源とも言われている。

中国では、クリーム状にしたゴマにハチミツを混ぜたものを「精神丸」と呼び、「毎日食べると良い」とされ、紀元前に書かれた医食同源の書「神農本草経」には、黒ゴマについて健康・滋養強壮に良いと使用されている。

主な産地は、熱帯から亜熱帯・温帯の北緯４５度までの、アフリカ、中近東、南アジア、中国、中南米の30か国以上の国々で、インド、中国、ミャンマーの3か国で世界シェアの約6割を占める。

生産量の約７５％は生産国での自国消費に使われており、残りの２５％が世界中に流通。

ゴマの栽培種は世界に３０００種類以上あるが、大別すると白ごま、黒ゴマ、茶ゴマ、金ごまの4種類がある。

健康産業新聞より引用