円形脱毛症について

円形脱毛症について

性別や年代に関係なく起こる「円形脱毛症」

浜松医科大学医学部付属病院 准教授 伊藤泰介氏

円形脱毛症は、突然、髪の毛が抜ける病気で、男女を問わず幅広い年代で起こります。

円形脱毛症の重症度は、脱毛の範囲の広さで判定されます。 また、脱毛のしかたによっていくつかの種類に分けられます。

軽症の円形脱毛症

脱毛の範囲が東部全体の25%未満のものです。円形脱毛症と聞いて多くの人がイメージする、硬貨の大きさ程度の脱毛が、1か所に起こる「単発型」と、2か所以上に起こる「多発型」があります。

重症の円形脱毛症

脱毛の範囲が東部全体の25%以上のものです。前途の多発型の数が増えたもののほか、後頭部の首筋知覚や側頭部の耳の周囲などの生え際に沿って蛇行するように脱毛がおこる「蛇行型」、髪の毛すべてが抜け落ちる「全頭型」ぜんとうがた があります。

さらに髪の毛だけでなく、眉毛やまつげ、わき毛など全身の体毛抜け落ちる「汎発型」はんばつがたもあります

髪の毛の成長サイクル

髪の毛は、地肌から出ている「毛幹」もうかん部分と地肌の中にある「毛包(毛根)」もうほう、もうこん部分に分けられます。

髪の毛は、毛包のいちばん下にある「毛球」もうきゅうで作られます。

健康な髪の毛には、成長のサイクルがあります。

伸び続ける「成長期」が2~6年続いたあと、次の髪の毛が生える準備期間である「退行期」に移行します。

毛穴の奥で新しい髪の毛の成長が進むことで、古い髪の毛は周囲の組織との接着が緩くなり、押し出されるように抜け落ちます。

髪の毛は1日に50~100本は自然に抜けますが、これは髪の毛の成長サイクル生理現象なので、通常は心配する必要はありません。

自己免疫反応によって発症する

円形脱毛症は免疫の働きの異常が原因となって起こる「自己免疫疾患」の一つだと考えられています。

免疫の働きが正常な状態では、ウイルスや細菌など異物が体内に入ってくると、免疫細胞の1つである「Tリンパ球」がその異物を攻撃します。

ところが、Tリンパ球に異常が起こると、異常でない組織を異物とみなして攻撃してしまう「自己免疫反応」が起こることがあります。

自己免疫反応が起こるきっかけとしては、ストレスや睡眠不足、過度の疲労、かぜ、胃腸炎、出産、けがなどがあるとされています。

また、円形脱毛症の発症には、円形脱毛症が起こりやすい体質も関係していると考えられ、研究が進んでいます。

円形脱毛症の治療法

円形脱毛症の治療法は、重症度や脱毛の範囲、年齢などで異なる。

円形脱毛症は、重症度や脱毛の範囲、年齢などに応じて治療法が異なります。重症化すると治りにくくなるため、早めに治療を開始することが大切です。

軽症の場合

「塗り薬」や「のみ薬」、「光線療法」による治療を3~6か月間程度行い、効果が現れるかどうかをみていきます。

  • 塗り薬・・・ステロイド薬や塩化カルプロニウムなどの塗り薬を使います。
  • のみ薬・・・グリチルリチンやセファランチンなどののみ薬を使います。
  • 光線療法・・・脱毛した部分に特殊な紫外線を当てて自己免疫反応を抑制する、「エキシマライト」や「ナローバンドUVB」による公選療法を行う場合があります。
  • これらの治療を行っても効果が現れない場合は、「ステロイド局所注射」が検討されます。

  • ステロイド局所注射・・・脱毛している部分にステロイド薬を直接注射します。1回の注射で薬が行きわたる範囲は1平方センチメートル程度なので、脱毛の範囲に応じて複数回の注射が必要になります。痛みを伴うので、塗り薬による局所麻酔をしてから行う場合もあります。
  • 重症の場合

  • 局所免疫療法・・・脱毛している部分に化学物質を塗り、人為的に頭皮に軽いかぶれをおこして脱毛を改善する、局所免疫療法が行われます。

    頭皮をかぶれさせた化学物質に、Tリンパ球が反応して、円形脱毛症を起こしているTリンパ球の働きを抑えることで、免疫のバランスが変化して自己免疫反応が抑えられると考えられています。

    1週間に1回の治療を6か月間程度続けて、髪の毛が生えてくるかどうかをみていきます。

  • 円形脱毛症を早期に発見するためには、髪の毛や爪に現れる変化を見逃さないことが大切です。

    円形脱毛症が起こると、髪の毛に触れた時の感触がゴワゴワしたり、頭皮がチクチク、ビリビリするなどの違和感が現れることがあります。

    髪の毛をとかす際には、こうした変化がないかどうかを確認しましょう。

    また、抜けた髪の毛の根元に毛包がついている場合は、自然な生え変わりによる脱毛なので心配はありませんが、毛包が付いてない場合は、円形脱毛症によって髪の毛が抜けている可能性があります。

    また、円形脱毛症が起こると、爪の表面に小さなへこみができて、ボコボコすることが多くあります。

    このような症状は、脱毛の原因が円形脱毛症なのか、ほかの病気なのかを幹分けるポイントの1つになります。

    円形脱毛症に気づいたら、ためらわずに皮膚科や脱毛症外来を受診してみてください。

    雑誌、きょうの健康「円形脱毛症」より引用

     

    ブログ作者の感想

    ストレスで円形脱毛になる、これはあながち間違えではないのでしょうね。上記にあるように円形脱毛症が「自己免疫疾患」の一つだとしたら、心身の状態を整えることが必要ですね。私の場合はしっかり入浴、質の良い睡眠、運動、そして楽観的思考ですかね。

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