飲酒や喫煙で脳が老化する

飲酒や喫煙で脳が老化する
    

飲酒や喫煙で脳が老化する

脳の老化が進む要因には、遺伝的な要因に加えて、飲酒や喫煙といった要因があるといわれている。しかし、飲酒や喫煙と脳の老化との具体的な関係は不明であった。

アメリカ、南カルフォルニア大学のニン博士らは、イギリスのバイオバンク(病気などの研究のため、ヒト由来のさまざまな試料を保管している施設)に登録された45~81歳の被験者1万7308人分の脳画像データを使用して、飲酒や喫煙と脳年齢(脳の構造などから算出される脳の老化指標)との関係について解析した。

その結果、飲酒や喫煙の頻度が低いと、脳の老化におよぼす影響は小さかった。一方、ほぼ毎日飲酒もしくは喫煙をする人は、脳年齢が高くなることがわかった。

解析によると、1日あたりのアルコール摂取量が1グラムふえるごとに、脳年齢は0.02歳高くなるという。また、喫煙量が1日平均1箱増加するごとに、脳年齢は0.03歳高くなるという。また、喫煙量が1日平均1箱増加するごとに、脳年齢は0.03歳高くなるという。

脳の老化にはさまざまな要因が関係しているため、脳を老化させる要因をより明確に把握するにはさらにたくさんのデータを解析する必要がある、と博士らはのべている。

雑誌ニュートンより引用


飲酒、喫煙と腎がんの関連について

国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト (ncc.go.jp)より引用

腎がんリスクは、飲酒との関連は認められないが、多量喫煙で1.5倍高くなる。

平均約19.1年間の追跡期間中に、対象となった約10万6千人のうち340人が腎がんに罹患しました。飲酒習慣では、飲酒するグループで腎がんの罹患リスクがわずかに下がりましたが、統計学的に有意ではありませんでした。

一方、喫煙習慣では、「喫煙指数40以上の喫煙者」のみ、「非喫煙者」に比べて腎がんの罹患リスクが約1.5倍高い結果でした。

がん対策研究所 予防関連プロジェクトとは

私たちは、いろいろな生活習慣と、がん・脳卒中・心筋梗塞などの病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防や健康寿命の延伸に役立てるための研究を行っています。

追跡調査

平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古、大阪府吹田の10保健所管内(呼称は2019年現在)にお住まいだった方々のうち、アンケート調査にご回答くださった、40~69歳の男女約10万6千人の方々を、平成27年(2015年)まで追跡した結果に基づいて飲酒・喫煙と腎がんとの関連を調べた結果を論文発表しましたので紹介します。(Cancer Sci. 2021年9月Web先行公開)

日本において、腎がん(膀胱がんを除く)は9番目に多いがんです。国際がん研究機関は、腎がんの罹患リスクとして、喫煙は「十分な知見がある」とし、飲酒については「発がん性がないことを示唆する知見」としています。

欧米の先行研究では、腎がんのリスクは少量の飲酒で低下することが示されています。一方、飲酒・喫煙行動や遺伝的感受性が欧米人とアジア人で異なることが指摘されていますが、飲酒・喫煙と腎がんについて、アジア人を対象とした疫学研究はこれまで報告がありませんでした。

そこで、本研究では日本人における飲酒・喫煙と腎がんの罹患について調べました。

  

グループ分け

調査開始時の生活習慣に関するアンケート調査の回答から、飲酒と喫煙習慣についてグループ分けを行いました。

飲酒習慣は、飲酒量をエタノール量(g)で換算したうえで、「飲んだことがない」、「時々飲む(月に1~3日)」、「週に149g以下の飲酒」、「週に150~299gの飲酒」「週に300~449gの飲酒」「週に450g以上の飲酒」の6つのグループに分けました。

喫煙習慣は、現在も喫煙を続けている人における一日あたりの箱数と喫煙年数から喫煙指数を算出し、「非喫煙者」、「過去喫煙者」、「喫煙指数20未満の喫煙者」、「喫煙指数20以上40未満の喫煙者」、「喫煙指数40以上の喫煙者」の5つのグループに分けました。

その後、飲酒習慣では「飲んだことがない」、喫煙習慣では「非喫煙者」のグループを基準として、その他のグループにおける腎がんの罹患リスクを検討しました。

解析では、腎がんに関連する飲酒・喫煙以外の要因(年齢、体重、糖尿病・高血圧・腎不全の既往)を統計学的に調整し、それらの影響をできるだけ取り除きました。

 

今回の研究からみえてきたこと

今回の研究では、飲酒習慣のあるグループで、腎がんの罹患リスクがわずかに低かったものの、統計学的有意ではなく、これまでの欧米からの報告とは異なりました。

欧米の先行研究では、少量の飲酒により、腎がんのリスクの一つである糖尿病のリスクが下がることが報告されており、糖尿病予防が間接的に腎がんのリスク低下につながる可能性が考えられています。

本研究で関連がみられなかった理由として、日本人は欧米人と比較してインスリン分泌量が少ないことなどから、飲酒による糖尿病や、それに伴う腎がん罹患に与える影響が小さかったことが考えられました。

また、喫煙習慣では、喫煙指数が高いグループでのみ、腎がんの罹患リスクが高い結果でした。

先行研究では、本研究よりも少量の喫煙でも腎がんのリスクが統計学的有意に増加することが報告されており、たばこに含まれる発がん物質の代謝にかかわる酵素作用の人種による遺伝的な差が影響している可能性などが考えられます。

本研究では、飲酒・喫煙習慣の追跡期間中の変化を考慮できていないことなどから、追跡期間中にこれらの習慣が変化した場合には、飲酒・喫煙習慣のグループ分けが正しく行われず、真のリスクを評価できていない可能性があります。

飲酒・喫煙と腎がんのリスクについては、日本を含めたアジアからの研究は本研究が初めてであり、今後さらなる研究が必要です。


    
   

禁煙による全死亡率、心血管疾患及び肺がん死亡の低下

国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクトより引用

アジア人の中高年喫煙者は欧米と比べて喫煙開始が遅いことや1日当たりの喫煙量が少ないこと、禁煙率が低いなどの特徴があります。

アジア人における禁煙後の死亡率低下の時間的経過についてはよく分かっていません。そこで本研究ではアジア人を対象として、禁煙後の経過年数別に、全死亡、心血管疾患、肺がんの死亡率がどの程度減少するかを検討しました。

中国、日本、韓国、シンガポール、インド、バングラデシュにて実施された16の前向きコホート研究の709,151人の統合データを統合して分析しました。

平均12年間の追跡期間中に108,287人の死亡が確認されました。心血管疾患死亡は35,658人、肺がん死亡は7,546人でした。

追跡結果

男性では、禁煙年数の増加に伴い、全死亡、心血管疾患、肺がんによる死亡リスクが減少する量反応関係が認められました。喫煙したことがない者と比較して、禁煙した者の全死亡及び心血管疾患死亡リスクは、禁煙後10〜14年経過しても上昇したままでした。

肺がん死亡は禁煙後15~19年の間約2倍と高いままで、禁煙前にヘビースモーカー(20パックイヤー(パックイヤー;一日のたばこの箱数×年数)超)であった男性では2.62倍でした。

女性については今まで喫煙をしたことがない者と比べ、禁煙期間が5年以上の場合でも全死亡、心血管疾患死亡、肺がん死亡リスクは高いままでした。このような禁煙と死亡との関連のパターンは各国とも類似していました。

本研究では、禁煙後の全死亡、心血管疾患、肺がんによる死亡リスク減少の量反応関係を明らかにしました。一方で、喫煙の健康影響は、これまで臨床ガイドラインなどで定義されている禁煙から非喫煙者と同程度までリスクが低下する期間である禁煙後20年を超えて続くことが示唆されました。

禁煙すると太る理由

タバコをやめると太ってしまう人がいる。実際、禁煙した人の13%は、1年で10キログラム以上体重が増加することが知られている。

体重増加はカロリー制限をしてもみられることから、禁煙によって食事がおいしくなって食べ過ぎることが主な原因とはいえない。
これまでの研究で腸内に生息する細菌叢(細菌集団全体の構成)の変化が関係していることが示唆されていたが、詳細は不明だった。

腸内に生息する細菌叢が変化

イスラエル、ワイズマン研究所のフラー博士らは、マウスを用いた実験で、まず、喫煙や禁煙によって腸内に生息する細菌叢が変化し、喫煙後は元の状態に戻らないことを確認した。

喫煙マウスに禁煙させると、摂取カロリーを管理しても体重が増加した。分析の結果、腸内細菌叢の変化によって、腸のエネルギー吸収を促進する代謝物が増え、逆に体重減少を促す代謝産物は減少していた。

一方、抗生物質で腸内細菌を減らしておいた喫煙マウスに禁煙させた場合、体重の増加はみられなかった。代謝産物の量の変化は、少数のヒトの観察でも確認された。

博士らは、今後、事例をさらにたくさん確かめていくことで、禁煙によって生じる体重増加を抑制できるようになるかもしれないと述べている。

雑誌ニュートンより引用

   

ブログ作者の感想

飲酒や喫煙で脳が老化するとは驚きです。また様々ながんのリスクを上げることは、なんとなく認識していましたが、腎がんのリスクを上げるそうですね。禁煙のメリットは食べ物がおいしくなること、心疾患リスクを下げることなど多々あります。これからタバコ価格はますます高騰していきますし、喫煙者は考え直してみるいい機会かもしれませんね。

高評価レビューでの3選アマゾン楽天
DR.VAPE ドクターベイプ Model2
こちら
(ベストセラー1位)
こちら
【指定第2類医薬品】ニコチネル ペパーミント 90個 
こちら
こちら
【指定第2類医薬品】ニコレットクールミント 24個 
こちら
こちら
2023年4月5日現在

タバコに関するその他の記事は下記ご参考までにどうぞ。