バラの多様な機能性について

日本ではマスク起用が常態化している昨今、自分の口臭が気になる人に向けたマスクスプレーが人気に。

そのスプレーには、甘い香りで口臭がマスキングできるとしてローズウォーターが配合されている。

エチケット用途でバラ素材の利用が進むなか、原材料メーカーやサプライヤーでは摂取による機能性データを蓄積するほか、機能性による素材の訴求に注力する。

健康機能で市場拡大の可能性が提示されているバラの現状を追った。

一昨年から続く新型コロナのなか、ローズウォーターはマスク起用時の自分の口臭をマスキングするエチケット素材として採用が進んでいる。

また、バラ特有の甘い香りにより、外出自粛で蓄積したストレスの解消を見込んだ利用も増えている。

このようにニーズが高まるローズウォーターは、バラの花びらから抽出されたバラ素材の一つ。他にバラ素材はローズオイルのほか、バラの花びらから水やエタノールで抽出したエキス末などが揃う。

バラ素材が注目される要因としては、香りだけでなく、機能性データが蓄積されていることが挙げられる。

実際、好調な売れ行きを示す東洋発酵のエキス末シリーズは食後血糖値上昇抑制や脂質代謝改善などの抗メタボ機能に加えて、美白や抗シワなどの美容機能、抗アレルギー、血管内皮機能改善といった多様な機能性が確認されている。

また、1年前に上市され、すでに複数社に販売されている金印の青いバラ由来の素材「オーラムブルー」も、複数の機能性が確かめられている。

肌菌叢改善による素肌機能や抗酸化作用、オートファジー活性促進機能などだ。

最近は、このような多様な健康効果が、バラ本来の機能性と強調する団体も現れた。

ブルガリアンローズ文化協会で、山下理事長は「飲料などの経口摂取で発揮される健康機能こそ注目してほしい」と主張する。

このため、同協会はホームページに、ブルガリア産ダマスクローズオイルやローズウォーターの機能性研究情報を掲載し、誰でも閲覧できるようにしている。

中略

健康産業流通新聞より引用