血液検査のみ、一生に一回受ければOK、原則0円、3分で終了。
この検査でわかるのはB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスに感染していないかどうかです。 肝臓がんの原因は肝炎ウイルスが約8割を占めているため、ウイルスの感染を調べ、感染していたら治療することで、肝臓がんになるリスクを8割も減らせる可能性がある。
肝炎ウイルスに感染していると、免疫細胞がウイルスを攻撃し、その時細胞も傷つけ、肝炎になることがあります。それを放置しておくと、肝硬変になり、さらに肝臓がんに進行してしまう危険があります。 C型肝炎ウイルスの場合、肝炎を治療していないと約30年で20~25%が肝臓がんになるといわれています。
健康番組「ためしてガッテン」に出演した佐賀大学医学部附属病院肝疾患センター特任教授の江口氏は「肝臓は沈黙の臓器。自覚症状が出た時は、すでに手の施しようがないケースもあります」「ウイルスが見つかれば、飲み薬での治療が可能です。ぜひ、がんになる前に検査を受けてください 」と肝炎ウイルス治療の大切さを訴えます。
健康診断を受けてるから大丈夫、と思っている人も油断はできない。なぜなら一般的な血液検査でわかるのは、肝臓の健康状態です。肝炎ウイルスの感染を調べる検査とは別です。 ウイルス検査は、検査の項目では「HBV(B型肝炎ウイルス)」「HCV(C型肝炎ウイルス)」と表記されます。
感染の可能性があるのは9000万人
肝炎ウイルスは、血液を介して感染するため、ふつうの生活では感染しませんが、現在31歳以上の約9000万人は、注射器の使いまわしによる感染が否定できません。 1988年に国が正式に禁止するまでは、使い回まわしが行われていた可能性があるからです。 また、カミソリやピアスの道具の共用などで感染することもあり、一生に一度は検査することが勧められます。
検査を受けて治療すれば肝臓がんの8割が防げる
肝臓がんの原因はアルコールと思われがちだが、じつはC型肝炎ウイルスが65%、B型肝炎ウイルスが約15%を占める。C型肝炎ウイルスは飲み薬で95%以上の人が完治可能で、B型肝炎ウイルスはウイルスをゼロにすることは難しいが、限りなく少なくすることが可能。
下記に該当する人は検査を受けている可能性が高い
1993年以降に出産したか、大きな外科手術をした。1990年以降に献血をした。
肝炎ウイルス検査の受け方
全国の保健所。受けられる日や日時などが決められていることが多い。また原則無料で受けられるが、年齢などの条件はお住いの地域によって異なるので、役所や保健所に問い合わせ下さい。 近所のクリニック。市区町村から委託されているクリニックや診療所などでも受けられる場合があります。費用の負担が必要な場合もあるので問い合わせください。
「雑誌、ためしてガッテンより引用」
読んだ感想
つい先日、友達の母親もC型肝炎が進行し、やがて肝臓がんになり亡くなった。こんな検査が昔にもあったなら、義務だったなら死なずに済んだのかもしれない。健康診断では検査項目にない。しかし、こんな簡単な検査なら受けておくかな。例えウイルス感染していても今は副作用の少ない薬があるようだし、何より早期発見が大切ですね。
点検!あなたの肝臓は大丈夫?
武蔵野赤十字病院 院長 泉 並木氏
肝臓には、大きく分けて「代謝」(食事から取り込んだ栄養素を、体が使いやすい形に変える)、「解毒」(血液中に含まれている有害な物質を分解する)、「胆汁をつくる」(消化を助ける消化液、胆汁をつくる)という3つの働きがあります。
何らかの原因で肝機能が低下すると、肝臓の細胞(肝細胞)が壊れたり再生したりを繰り返して、炎症が起こります。この状態を肝炎といいます。
また、肝臓が中性脂肪をうまく分解できなくなって肝臓にたまることもあります。これが脂肪肝です。
肝炎や脂肪肝をそのままにしていると、肝細胞が壊れ、肝臓にコラーゲンなどの線維が蓄積する線維化が起こります。これが肝硬変です。 さらに悪化すると、肝硬変から肝がんが起こり、命に関わる危険が出てきます。
肝機能低下の主な原因
・ウイルス性肝炎・・・肝炎ウイルスが感染することで肝臓に炎症が起こる病気です。 肝がんの約8割は肝炎ウイルスが原因で起こります。数種類ある肝炎ウイルスのうち、C型とB型が肝がんの原因となります。
・アルコール性脂肪肝・・・飲酒を続けたり、多量の飲酒をしたりすることで起こります。 また、肝炎ウイルスに感染している人は、飲酒によって肝炎が進行しやすいといわれています。
・薬の副作用・・・・向精神薬、抗菌薬、鎮痛薬などでアレルギー反応が起こり、肝機能が低下することがあります。サプリメントや漢方薬が原因となりこともあります。
・自己免疫・・・・はっきりとした原因はわかってませんが、自分の肝臓に対して免疫反応が起こってしまうことがあります。女性に多く見られます。
・肥満・・・・脂肪肝の最大の原因は肥満です。飲酒に加え、食べすぎ、飲みすぎ、さらに運動不足まで加わると、脂肪肝が起こるリスクが大幅に高くなります。
こんな症状は肝臓のSOS
1つでも当てはまる場合は生活習慣を改善しよう。
・便が白っぽい
・尿が茶褐色
2つ以上当てはまる場合は医療機関を受診しよう。
・爪が白くなる
・手のひらが赤くなる
・出血しやすい
2つ以上当てはまる場合は「すぐに」医療機関を受診しよう。
・白目が黄色い
・背中や肩に斑点が出てきた。
・右脇腹からみぞおちにかけて腫れている。
・乳首が大きくなったり、しこりが出来た(男性の場合)
・指が震える
・ボーとして眠たくなる。
雑誌、きょうの健康より引用