プロポリスの機能性について

プロポリス、好塩基球の活性抑制。細胞試験

プロポリスの抗アレルギー機能の作用機序について、好塩基球の活性を抑制するのに伴うものである可能性が細胞試験などで示唆された。

北海道大学大学院薬学研究院の柏倉講師の研究成果。研究を支援した山田養蜂場が発表した。

試験管試験にて好塩基球から産生されるIL-4 、IL-6、IL-13といった炎症性サイトカイン量がプロポリスを添加することで減少。

また、慢性アレルギーモデル動物を対象にした試験では、プロポリス投与群は非投与群と比べ、好塩基球を起点としたアレルギー反応が抑えられ、炎症が軽減したことが確認されたという。

健康産業新聞より引用

プロポリス、歯肉の不調改善機能が示唆

ブラジル産プロポリスが歯肉の不調改善に働きかける可能性があるという。慢性歯周病患者を対象にした試験で、歯周ポケットの深さを改善する働きが見出された。 国立感染症研究所細菌第一部の中尾氏らの研究成果。

発表によると、ブラジル産プロポリスを含む軟膏を歯肉に塗布した結果、プラセボ塗布群に比べ、歯周ポケットが有意に浅くなった。 プロポリスを塗布した患者の半数では、歯周病原因菌のジンジバリス菌が検出されなくなったという。

肝繊維化を抑制する可能性。筋肉の抗糖化機能も示唆

免疫賦活機能で関心が高まるプロポリス。一方、近年は最終製品メーカーを中心に、認知機能への影響を検証する研究が進んでいるが、最新の機能性研究では、肝臓への有効性や抗糖化機能などを持つ可能性も示されている。

プロポリスの肝臓に対する働きを検証したのは、近畿大学工学部化学生命工学化の小川講師。

小川講師は、以前から肝疾患への関心を持ち、プロポリスが天然の化合物を数百種類含むことから肝繊維化を抑える機能が期待できるとして研究を行った。

試験に用いたのはマウス肝臓から分離した肝星細胞とヒト肝星細胞株。肝星細胞は、慢性肝障害時には過剰にコラーゲンを産生し、肝繊維化を引き起こす。

試験では、この肝星細胞にプロポリスあるいはプロポリス成分を添加し、細胞への影響や肝線維化関連遺伝子の発現などを調べた。

その結果、プロポリス及びプロポリス成分のクリシンとケンフェロールが、肝星細胞の増殖を顕著に抑制。

肝星細胞の活性化マーカーであるI型コラーゲン遺伝子や、繊維化関連遺伝子のMMP-2遺伝子などの発現を減少したことも確かめた。

このほか、ケンフェロールに関しては、肝星細胞のアポトーシスを誘発することも確認したという。

一方、ブラジル産プロポリスについて、筋肉への抗糖化機能を持つ可能性を検証したのは、京都大学大学院人間・環境学研究科の江川助教。

試験は糖化ストレスモデル動物を対象に実施。プロポリス配合食を20週間与えて、骨格筋に蓄積しているAGEｓ量などを測定した結果、通常食摂取群に比べ、速筋でAGEｓ量が有意に低下した一方で、AGEｓ前駆体の除去に関わる酵素「グリオキサラーゼ１」は、活性が高まることを見出した。

また、AGEｓが過多になると炎症反応が引き起こされるが、プロポリス食群では炎症性サイトカインのＩＬー６などの発現が抑制されたという。

これらの結果を踏まえて江川助教は「高齢化社会で問題視されているフレイルやサルコペニアに対し、ブラジル産プロポリスが役立つことが期待できる」と述べている。

食物アレルギー症状抑制が示唆

プロポリスを使った動物試験等で、食物アレルギー症状抑制機能が示唆された。

食物アレルギーマウスを使った試験で、食物アレルギー症状が軽減。また、アレルギー反応に関わるILー４の発現量低下が腸管で示されるなどしたという。

北海道大学大学院薬学研究院の松田教授らの研究グループが山田養蜂場の支援を受けて実施した研究結果。 論文は海外のアレルギー専門誌「Allergology International」のオンライン版に掲載された。

健康産業流通新聞より引用