中年期の体重増加は将来の肺機能を低下させる

加齢とともに肺機能は低下するが、体重を増やさないことが肺の健康に重要であることがわかった。欧州12か国の3673人を20年間追跡調査したもの。

調査開始時に20～44歳の男女を体格指数BMIで標準（20以上25未満）、太り気味、肥満の3群に分けた。

肺機能は、息を大きく吸ってから強く吐き出したときの息の量（努力性肺活量）などで評価した。

結果、標準BMIで体重を維持した人（±0.25㎏/年）に比べ、どのBMI群でも体重を維持した人に比べて体重が1㎏超/年増えた人では、65歳時の努力肺活量は528ml低くなった。

反対に体重が減った人では、調査開始時に太り気味や肥満でも肺機能の低下はなかった。

メタボリックシンドローム（メタボ）は、中心性肥満や内臓肥満といった肥満状態、インスリン抵抗性や高血糖、脂質代謝異常（高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症）、高血圧などの動脈硬化性疾患とⅡ型糖尿病発症リスク因子が２つ以上集積した病態を指す。

上半身肥満、糖代謝異常、高中性脂肪血症、高血圧の４つが重なることで冠動脈疾患が起きやすい状態となり、米国では「死の四重奏」とも呼ばれる。

メタボ病態が問題視される一番の要因が死因リスクを高めるという点。厚生労働省の最新の発表では、メタボリックシンドローム該当者、予備軍はここ5年でさらに増加し１４１２万になったことがわかった。

肥満についても、体格指数BMIが２５以上の割合が男性で３３％、女性で２３％に上がり、日本人の約３人に１人超が該当する結果となっている。

年代別にみると、男性では４０歳代が３９．７％と最も高く、次いで５０歳代が３９。２％、女性は６０歳代が２８％と最も高くなっている。

メタボリックシンドローム診断基準

ウエスト周囲径：男性８５ｃｍ、女性９０ｃｍ以上

高血圧：１３０mmHg以上

血中脂質異常：中性脂肪１５０mg/dL以上

血糖値空腹時：１１０mg/dL以上

健康産業新聞より引用

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肥満によって引き起こされる慢性炎症より破骨細胞が発達し、歯周病につながる歯槽骨の 喪失（そうしつ）が増大することが、マウスの用いた研究であきらかになった。

ニューヨーク州立大学のK.H. Kwack氏らが学術誌のJournal of Dental Researchに発表した。

研究では、マウスを2郡分け、一方は脂肪エネルギー比率が１０％の低脂肪食、もう一方は脂肪エネルギー比率が４５％に上る高脂肪食を１６週間にわたって与えた。

その結果、高脂肪食群は、低脂肪食群と比較して肥満が見られ、より炎症が起こり、骨髄と脾臓において骨髄由来免疫抑制細胞（MDSC）が増大していた。

さらに、高脂肪食群では破骨細胞が発達し、より多くの歯槽骨を喪失することが明らかになった。 また、破骨細胞形成に関する２７の遺伝子の発現が、高脂肪食群で有意に増大していた。

この研究から、これまで研究が進んでいたかった肥満と慢性炎症、破骨細胞の増大と歯周病の増加が密接にリンクしていることが示唆された。

健康産業新聞より引用