胎児は母体から腸内細菌叢の設計図を受け取る。
私たちの腸には約1000種類、数兆個にも及ぶとされる腸内細菌がすんでいる。
新しい解析技術の登場で近年、腸内細菌叢と健康の関りが次々と明らかになり、どんな腸内細菌がどのように生息しているかが生活習慣病リスク、免疫力、うつ病など心身の健康状態に密接に関わることがわかってきた。
この腸内細菌叢は、自分だけのものでなく、妊娠時に胎児にも伝わる可能性もあるようだ。
「2016年に医学雑誌「Science」で「お母さんの腸内細菌叢の情報はあらかじめ胎児期に伝えられている」という考え方が発表された」と、胎児や乳児、小児の腸内環境を研究する東京女子医科大学小児科・主任教授の永田智氏は言う。
従来、「帝王切開で生まれた子の腸内細菌叢にはビフィズス菌などの有用菌が少ない」「母乳に含まれる特有のオリゴ糖が赤ちゃんの腸内でビフィズス菌を増やす」といった研究から、経膣分娩や母乳育児が赤ちゃんの腸内環境のためには重要とされてきた。
一方、新たな研究では、母体の腸内細菌は腸粘膜をくぐり抜けたり、何らかの信号を送ることで、母体の免疫細胞である「樹状細胞」に母親の腸内細胞叢の情報を伝え、その情報を受け取った樹状細胞が胎盤を通じて胎児の免疫細胞にその情報を伝えているようだ。
実際に、胎盤から母体の腸内細菌やその産生物を受け取った樹状細胞が検出されている。
受け継がれる腸内細菌叢の設計図
東京女子医科大学小児科・主任教授の永田智氏は言う。
母体の腸内細菌叢の情報は、いわば、赤ちゃんの腸内細菌叢の土台となる設計図です。
赤ちゃんはこれを受け取り、生まれた後はこの設計図に照らし合わせながら体に入ってきた細菌を選び取り、自分の腸内に組み込んでいく。
母体由来の常在菌と異なる細菌が入ってきたときに、設計図をもとに腸管内に定着させるかどうか判断するシステムがあるようだ。
だからこそ、妊娠前から腸内細菌叢を整えておくことが、赤ちゃんに「健康な設計図」を与えるために、より重要と考えている」
腸内細菌叢を健康に保つ第一選択は「食物繊維」
腸内細菌叢を研究する京都府立大学大学院生命環境科学研究科、農学博士の井上亮氏は言う。
腸活といえば、ヨーグルトなどの発酵食品をとったり、食物繊維をとるなどの方法があるが、「腸内細菌叢を変える力が最も強い食品は、腸内有用菌のエサとなる食物繊維である」
食物繊維は、人の消化酵素では消化吸収できず、小腸を経て大腸まで到達する。
エサを食べて腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸、プロビオン酸)は「人の代謝エネルギーになったり、腸管のバリア力を高めたりする。また、短鎖脂肪酸によって腸内の酸性度が高まることにより、有害物質を生み出す悪玉菌がすみにくい環境も作る」
食物繊維には、不溶性、水溶性の2タイプがある。
働き | どんな食品にい多い? | |
水溶性食物繊維 | 腸内細菌のエサになり、短鎖脂肪酸の産生を高める。悪玉菌が住みにくい環境を作る | 大麦、ライ麦、オーツ麦などの穀物。わかめなどの海藻。果物、アマニ、ごぼうなど |
不溶性食物繊維 | 便のかさ、水分量を増やして腸のぜん動運動を高める。有害物質を素早く体の外に排出。 | 玄米、きのこ類、青菜、こんにゃく、ブロッコリー、納豆、アーモンドなど |
食物繊維といって想像する野菜や玄米などに含まれるのは、主に不溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は限られた食材にしか含まれないから、意識してとる必要がある。
日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、1日あたりの食物繊維の摂取目安量あ18~69歳女性では18g以上だが、現状とれているのは13gで、5gほど足りていない状況です。
井上氏は、自閉症児に水溶性食物を与えて腸内細菌叢を変えることで、イライラ症状が改善することも確認している。
世代を問わず、健康を保つために腸活は欠かせない習慣。 多様な食物繊維を意識してとることが、腸内細菌にエサを与え、豊かな腸内細菌叢をお腹の中に持つことにつながる。
また、乳酸菌、ビフィズス菌などの有用菌は、腸内を通過しながら腸の免疫システムを高めるので、こちらも併せてとるといいと、井上氏は言う。
雑誌、日経ヘルス「女性のからだと栄養」より引用
水溶性+不溶性が精神不調を改善
プレバイオティクスとして、大腸に棲息する有益な細菌の栄養源となり、それらの細菌の増殖を促進して腸内環境を健康的なバランスに維持し、改善する食物繊維。
最新の研究でも腸内環境に与える影響が検証されており、水溶性食物繊維の種類が異なると、腸炎に対する有用性に違いが生じることが確認されている。
研究を実施したのは、富山県立大学医薬品工学科の古澤之裕准教授。
古澤准教授は、先進国で食物繊維摂取不足が一因となって炎症性腸疾患が増加する一方、食物繊維の種類に着目して腸内微小環境の変化を比較した例が少なく、腸炎抑制に寄与する食物繊維の種類も検討されていないことから研究を行った。
試験方法
試験は、4種類の水溶性食物繊維を用いて実施。 マウスに各食物繊維を別々に摂取させて、ガスクロマトグラフィーで短鎖脂肪酸濃度を測定した。
その結果、増加する短鎖脂肪酸の量や種類が食物繊維の種類で異なることを確認。
また短鎖脂肪酸のうち、酪酸の産生能を向上させる食物繊維については、大腸粘膜固有層で制御性T細菌を誘導。
腸炎モデルマウスにおいて、腸炎を抑制する可能性が見出された。
このほか、種類を問わず食物繊維を摂取したマウスはコントロールのマウスと比べ、腸内悪玉菌とされるファーミキューテス門と「瘦せ菌」とされるバクテロイデス門の比が拡大したことも確認されている。
食物繊維は水溶性に加え不溶性もあるが、双方を同時摂取することにより、メンタルの不調が改善する可能性も認められている。
国立循環器病センター研究所の山本正道氏らの研究グループが動物試験で確かめた。
試験では、マウスに水溶性と不溶性を含む複合食物繊維を飼料に10%混合して与えるとともに、ストレスを与えてうつ病発症を誘導した。
その結果、同マウスの血液を調べた結果、抗うつ機能が確認されている短鎖脂肪酸の濃度が増加した。
また、同マウスは脳の海馬領域で、ATP産生量が維持されたほか、神経栄養因子の遺伝子発現量が増加。 一方、ストレス関連遺伝子の減少が見出された。
このほか、うつ病症状を評価する尾懸垂試験で不動時間を測定したところ、同マウスは不動時間が短かった
この結果から、山本氏らは水溶性と不溶性の複合食物繊維について「うつ病症状を改善する可能性が示唆された」と述べている。
健康産業流通新聞より引用
食物繊維やヨーグルトは肺のがん化を抑える可能性
食物繊維やヨーグルトをたくさん食べている人は肺がんになりにくいかもしれない。
米国と欧州、中国で行われた10種の研究を解析して明らかになった。 解析には合計で140万人以上の男女のデーターが用いられた。
8.6年(中央値)の追跡期間で肺がんになったのは1万8822人だった。
食物摂取質問票から食物繊維とヨーグルトの摂取量を算出。
食物繊維の摂取量で5つの群に、ヨーグルトの摂取量で3つの群に分けた。
1日あたりのエネルギー消費量で調整した食物繊維の摂取量が「最も多い」群(平均27.8g/日)は「最も少ない」群(同10g/日)に比べて、肺がんになるリスクは17%低かった。
ヨーグルトの摂取量が「多い」群(同111g/日)は「食べない」群に比べて肺がんリスクは19%低かった。 この傾向は男性でも女性でも同じだった。
さらに食物繊維の摂取量が「最も多い」かつヨーグルトの摂取量が「多い」群では、食物繊維の摂取量が「最も少ない」かつヨーグルトを「食べない」群に比べ肺がんリスクは33%低かった。
食物繊維は有効な腸内細菌を増やし、有害な腸内細菌の増殖を抑制する。 ヨーグルトも腸内環境を整える働きがある。
食物繊維とヨーグルトが抗炎症作用に関り、がん化を抑えている可能性があるとしている。
雑誌、日経ヘルスより引用
早稲田大学理工学術院 原田敦嗣氏
食欲に対し腸内細菌叢が関与することが報告されており、腸内細菌叢が食物繊維を代謝発酵することで生成される酢酸が摂取量の低下に関与することなどがある。
今回、腸内細菌叢改善作用を有し、実際に摂取されている難消化性デキストリン(RM)を用いて腸内フローラの改善が高脂肪食に対し食欲抑制を引き起こすか、また、その作用メカニズムについて検証した。
8週齢のマウスに、PM群と高脂肪食群を与えた結果、RM群の摂取カロリー量が低下し、RM群の盲腸内PHの低下と腸内細菌叢が活性化することで生成される短鎖脂肪酸の増加が確認され、腸内細菌叢の改善が高脂肪食誘発性の過食を抑制している可能性が示唆された。
次の実験として、過食の抑制が難消化性デキストリン(RM)の摂取によるものなのか、RM摂取による腸内細菌叢の改善によるものなのかについて検証するために、高脂肪食群とRM群のマウスの糞便を別のマウスに移植して調べたところ、高脂肪食誘発性の過食の抑制にはRM摂取により改善された腸内細菌叢が関与していることが示唆された。
さらに、食欲抑制のメカニズム解明を目的として、高脂肪食群、RM群、高脂肪食移植群、RM移植群の血清のホルモン量測定の結果、RM群やRM移植群は、腸管から分泌されるホルモンで食欲抑制に関わるGLP-1の分泌量の増加や視床下部で摂食行動を促進する神経ペプチドであるNPYのmRNA量の減少等が確認され、腸内細菌叢を良好に保つことで食欲に関する血中ホルモンや神経ペプチドを介して過食につながる食欲を抑制できることが示唆された。
ヘルスライフビジネスより引用
ブログ作者の感想
ここに引用したのはほんの一部でしょうが、食物繊維についていろいろ研究されているのが驚きです。それだけ様々な期待がこめられているのでしょう。私は食物繊維の秘めたる力を見直し、これからは積極的に取る必要があるのではと思いました。
高評価レビューでの3選比較 | アマゾン | 楽天 |
イヌリン 500g 水溶性食物繊維 新製法 NICHIGA(ニチガ) | こちら(評価4) | こちら(ポイント3倍) |
イヌリン 顆粒 (500g) 機能性表示食品 LOHAStyle | こちら(評価4) | こちら(ポイント4倍) |
超溶イヌリン 500g 機能性表示食品 | こちら(評価4) | こちら(ポイント4倍) |
商品レビューから一部引用
NICHIGA(ニチガ)
- 会社の検診で、データ改善を目指して購入し、実際、血液データ改善。腸内環境を整える為に飲み続けています。
- プロテインに混ぜて飲んでいます。
他のイヌリンよりもシェイカーの底にほぼ溶け残ることがないのが良かったです。
なによりもとにかく快腸になりました。
夜に飲んで、翌朝に食事をすると大体お通じがあります。リピート決定です。 - 付属スプーンがついていたことはないです。
冷たい水には溶けにくい。
甘味が少しあるので、混ぜるものによっては味が変化します。
食物繊維が不足しがちなので定期購入してますが、わりと袋が大きい、湿気が多いと固まるので別容器での保存がしずらいと扱いづらさは感じていますが、他製品を使ってみましたが結局コレかなと戻ってきてます。
LOHAStyle イヌリン
- ほんのり甘く、軽くとろみがつきますがほぼ気になりません。カフェオレに入れて飲んだり、お茶や味噌汁に入れても違和感なく摂取できます。濃縮タイプのコーヒーや濃度の高い飲み物などに入れるとダマになりがちですが、よく混ぜて温めると混ざりやすいです。お腹の調子が整って、野菜不足なメニューの時(トーストの朝ごはんなど)これがあると罪悪感減ります。
- 効果はまだわかりませんが、飲み物などにすぐに溶け無味無臭で飲みやすいです。
しばらく続けてみます。 - 毎朝青汁と共にいただいております。お腹の調子が良くなりました。
LOHAStyle 超溶イヌリン
- 冷たいもの塊が残ったりしすがお茶などはとけ違和感なくのめます
リピートして効果が出ることをきたいしてきます。 - 白い粉で、砂糖代わりに使おうかなと思いましたが、甘味は殆どありません。
若干ありますが、砂糖代わりにはなりません。
今回は水にも溶けやすい物を買いましたが、やはり溶け残りはでます。
飲んだ感想ですが、下痢などが減った気がします。
また、オナラは出やすくなります。
特に不調になることはなかったので、使い続けようと思います。 - 最初の1週間はオナラが増えてちょっと困りましたが2週間経った頃から、体に馴染んできたのか、便通も良くなり、おなら問題は解決しました。
もっぱらコーヒーに溶かして飲むことが多いですがホットでもアイスでもよく溶けます。
ただ冷たい場合はコップに先に粉を入れておくよりも、飲み物を入れてから粉を入れたほうがダマになりにくい気がします。
味も変わらないので、飽きる心配もなく継続できそうで嬉しいです。