神戸大学大学院 教授 丹生健一 「きょうの健康」より引用
口やのどの異変を放置しないで。
口と喉は、呼吸をする、飲食物を飲み込む（嚥下）、声を出すなどの重要な役割を担っています。鼻の奥から食道までの空気と食べ物が通るところを咽頭、口の奥から気管までの手前までを喉頭といい、喉とは咽頭と喉頭のことを指します。
口や喉にがんができると、口内炎や喉の痛みなど、さまざまな症状が現れます。しかし、それががんの症状だとは思わずに放置する人は少なくありません。口や喉の異変に気づいたら医療機関を受診することが大切です。また、定期的にセルフチェック（下記参照）を行いましょう。
口と喉のがんを見つけるためのセルフチェック
口腔がん
- 口内炎が2週間以上治らない。
- 舌の側面に硬いしこりがある。
- 粘膜に赤いただれや白い斑点がある
咽頭がん、喉頭がん
- 声がかすれる。
- 喉の痛みや、いがらっぽい感じが2週間以上続く
- 食事をすると喉につかえる、しみる、むせる
- 首や喉にしこりがある
＊このチェックリストは目安であり、これだけで診断がされるわけではありません。気になることがある場合は医療機関を受診しましょう。
長引く口内炎は要注意
通常、口内炎は2週間程度で治るため、それ以上長引くときや、同じところに何度もできるときは医療機関を受診しましょう。
舌の異変は鏡でチェック
口腔がんの約半数を占める舌癌の多くは、舌の表面にある扁平上皮細胞が悪性化してがんになります。硬いしこりになるのが特徴で、大半は舌の側面にできます。また、舌がんでは舌の粘膜に赤いただれや白い斑点がみられることもあります。鏡で舌の側面の状態を確認しましょう。
喉の症状が長引く場合は要注意
声のかすれや喉の痛みは、かぜをひいたときにも起こりますが、2週間程度で改善します。2週間で治らない場合は医療機関を受診しましょう。食べ物をのみこむときに喉につかえたり、しみたり、むせたりする場合も注意が必要です。
首のしこりをチェック
喉にがんができても症状が現れないこともあります。しかし、首のしこりに気づいて受診し、がんが発見されることがあります。しこりはがんがあごの下や首のリンパ節に転移したときに現れます。いつまでもしこりが小さくならない場合は、がんが転移している可能性が考えられます。がんによるしこりは触っても痛くない場合が多いことにも注意が必要です。
セルフチェックで気になることがあったら耳鼻咽喉科を受診しよう。
口の中を調べる。
生検によってがんの診断を確定させるために、病変組織の一部を採って顕微鏡で詳しく調べます。CT検査、MRI検査にてがんと確定診断され、舌の組織の奥深くまでがんがいないかどうかを調べるために行います。
喉を調べる
内視鏡を使って喉の状態を見ます。内視鏡の先端から鉗子を出し、組織の一部を採って生検も行います。同時に肺や胃などにもがんが発生している重複がんではないかどうかも調べます。
口と喉のがんを防ぐために
口と喉のがんの発生に大きく関わるのは飲酒、喫煙、口内環境です。
飲酒
アルコールは体内で分解されると発がん性のあるアセトアルデヒドという物質になるため、多量飲酒する機会が多い人は咽頭がんが起こりやすいと考えられています。特に、顔が赤くなりやすい人や二日酔いになりやすい人ほどリスクが高くなるので、心当たりのあるひとは定期的に検査を受けましょう。
喫煙
喉頭がんの患者の90％以上が喫煙者です。予防するためには喫煙が重要です。喫煙者は年に1度は耳鼻咽喉科で喉頭がんの検診を受けましょう。
口内環境を整える
舌や口の粘膜に慢性的な刺激があると、口腔がんのリスクが高くなるといわれています。虫歯があったり、合わない入れ歯を使っていたりすると嚙み合わせが悪くなり、頬や舌に歯が当たったり、頬の内側を噛んでしまいやすくなります。虫歯の治療、入れ歯の調整をして口内環境を整えましょう。また、あごが小さい人は口の中の空間も小さく、舌に歯が接触して舌がんのリスクが高まります。上記のセルフチェックを欠かさないようにしましょう。
＊飲酒、喫煙の習慣がなく（ヒトパピロマーウイルス）感染によって咽頭がんが発生することがある。
神戸大学大学院 教授 丹生健一 「きょうの健康」より引用
ブログ作者の感想
仕事の先輩も食道がんになり、抗がん剤治療ですべての髪は抜け、10時間の大手術を行い無事成功しました。前兆として上記の「食事をすると喉につかえる、しみる、むせる」があったようです。またコロナで在宅勤務が増え、お酒の量も増えたことも悪影響だったのかもと話していました。その人はタバコは吸っていませんでしたが、ガンのリスクは誰でもあります。上記のセルフチェックや早期発見、早期治療で命拾いすることができると思いました。
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- 検査して、安心できたので、少々値段は高いのですが満足しています。
- 乳ガン検診は痛みを伴いますので、これからも利用したいと思います。
- 病院に行くか悩んでましたが、これのおかげで病院にて乳癌とわかり手術してキレイに取っていただく事ができました。ありがとうございました。
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パラパラ見た感じはガンにならないためのやり方など書いてあり、是非生活に活かしたいと思いました。これからしっかりと隅々まで読みたいと思います。 - 医師自身が癌になり、その後のリハビリの様子を詳細に渡って書いている。そして、自身が経営する療養所の患者の様子も。ステージ１の乳がん部分切除後のリハビリに励んでいる私であるが、自分のやり方がこの医師とダブルところが多々あり、自信をつけてくれる本。
