慢性的な頭痛、片頭痛について

軽く見てはいけない片頭痛

国際頭痛学会では「片頭痛発生により、毎日60万人の日本人が苦痛を感じ、人間らしい生活を妨げられている」と報告されている。(2005年、京都頭痛宣言)しかも、頭痛による生産性の低下は毎年2880億円もの損失を日本経済にもたらしているというのだ。

総合内科専門医で頭痛専門の大和田医師は「頭痛は命に関わる危険信号を発していることもあるという」

「脳出血や動脈解離、くも膜下出血など、重要な病気が隠れていることがあります。こういった頭痛は他の疾患から二次的に起きてくるものなので「二次性頭痛」と呼ばれ、時間との勝負。脳外科の医師による手術が必要なこともあります。

例えば高齢者で慢性的な頭痛があり、加えて急に歩行障害や認知症が進行した場合、脳の外に血液がたまる慢性硬膜下血種という病気の可能性も。

何年も頭痛が続く人の中には、虫歯や歯周病が原因の歯性上顎洞炎(副鼻腔炎の一つ)だったケースもありましたし、ゆっくり進行する脳下垂体腺腫や脳腫瘍なども考えられます。まずは医療機関で脳に原因がないか、確認することが大切です」

そして脳に原因が見当たらず、二次性頭痛が否定されたのに、それでも繰り返し頭痛に悩まされることがある。その場合、頭痛に詳しくない医師だと「休めば治ります」の一言で済ませることもあるそうだ。

中略

大和田医師は、日常生活に支障をきたす頭痛のほとんどは「片頭痛」が少なからず関与しているということがわかったという。

「片頭痛は一部の神経・脳の異常性活性化により、脳や頭の表面にはりめぐらされている血管が急激に拡張することで引き起こされます。発作的に頭痛が起き、こめかみ、あるいは目の奥が痛くなったり、吐き気やめまいなどの症状が一緒に出たりします。

発作の頻度は人により様々ですが、女性は周期的に月経が来るようになるころから多発します。エストロゲンという女性ホルモンが排卵や月経期に変動し、脳血管の安定性が失われて、頭痛が起きてしまうのです。20~50代の女性によくみられます。」

治療の基本は薬剤。片頭痛の特効薬としてトリプタン製剤があり、これは神経や脳に働いて、片頭痛の発作そのものをなくしてしまう。日本では5種類のトリプタン製剤が使用可能で、効きのスピードなどそれぞれに特徴がある。

だが、薬局で購入することはできない。副作用は少ないものの、脳血管に直接働きかけ、医療的な注意が必要であるためだ。また、脳梗塞などの血管系トラブルのある人にも使えない。

一方、市販の解熱鎮痛薬は、放出される痛み物質の量を減らす仕組みであるため、有効であるのは症状が軽い時。次第に「効かないから追加で薬を飲もう」と薬の量が増えていく。

月の半分も頭痛のために薬を服用している場合は迷わず医療機関へ受診を。

大和田医師は言う。「片頭痛の発作を解熱鎮痛薬だけで抑えることは、薬物乱用頭痛につながります。薬剤が切れると頭痛が起きてくるため、内服する頻度が増え続け、もっと強い作用の薬を求めるようになります。近年、新しいメカニズムで働く予防薬や治療薬も登場しました(ラスミジタン、ガルカネズマブ、エレヌマブ、フレマネズマブ)」

緊張型頭痛

もう一つの頭痛のタイプとして、肩こりからくる「緊張型頭痛」と呼ばれるものがある。パソコンを長時間見続けるなど、同じ姿勢を取り続けると筋肉内の老廃物がたまりやすくなって痛みの原因となったり、血管の収縮を誘発するのだという。

大和田医師は「片頭痛は女性に多いのですが、緊張型頭痛は男性にもよくみられる。ただし、この2つは完全に分けられるものではないと考えています。のべ何万人もの患者さんを診てきましたが、割合を変えながら片頭痛と緊張型頭痛が混じるのがほとんど。緊張型頭痛は適度な運動で筋肉を伸展収縮させ、ぬるいお湯に入浴し、リラックスして寝ると回復します。」という。

治りにくい、しつこい頭痛も「朝は光をあびて朝食をとり、歩いて運動して、夜はスマホ画面から早めに離れて就寝する」ことや「リモートワークが続いて頭痛が起きてしまう場合は、モニターを大きくしたり椅子の高さを変えたりして首や肩に負担をかけない調整をするといいでしょう。蒸しタオルで首や肩の筋肉を温めたり、仕事後に一汗かくのもおすすめです」と大和田医師は言う。

雑誌、プレジデントより引用

ブログ作者の感想

私はずっと同じ姿勢で仕事をしていると痛みが出てくる傾向があります。モニターや椅子の高さなどを変えるなどして、首や肩に負担をかけないことも大切なのですね。セルフケアとして凝り固まった肩や首のストレッチや、入浴での筋肉の緊張をほぐすことが必要とのことで実践していきたいと思いました。

緊張型頭痛の対策アイテム3選
  • 【Kagg.jp】在宅勤務は快適な椅子で!オフィス家具通販
  • 保坂尚希愛用の【ストレッチハーツ】
  • 別府温泉入浴剤「るんるんの湯」
  • ストレッチについてその他の記事は下記ご参考までにどうぞ。