息子の不安な気持ちを取り除いてあげた話

クラスの席替え

小学生って定期的に席替えがありますよね。それってけっこう子供にとっては大きな出来事になるときがあります。

好きな子の隣になる、嫌いな子の隣になる、後ろの席になりサボれる、前の席になり先生と近くて緊張が増す、などなど・・・

自分の子供(高学年)の場合は、子供にとって嫌な機会になってしましました。それは最前列の席になってしまったこと。大きな声の先生、その声がますます大きく聞こえてしまうのではないか・・・そんな心配が、ある週明けの登校をおっくにしてしまっていました。

ある週明けの朝、息子を起こそうとするとなかなか起きてこない、聞けば体が疲れているとのこと。熱はない、運動会はあったが翌日は休みで十分、疲れはとれたはず。

たまにある仮病を使った「学校行きたくないアピール」。またかー今度はどんな心配事があるのかなーと推察する親。「食べれない給食メニューがあるから?」「嫌な授業があるのかな?」と探りを入れる。どれも違うと答える息子。布団から起き上がってこない。

結局、その日は休むことになった。

学校に行きたくない本音とは?

その日、息子と二人で公園に散歩に出かけた。好きな野球の話しなどをして、気分をほぐらせてからベンチに腰掛け話をした。

「今日、学校行きたくなかった心配事を教えてくれる?」

うつむき神妙な表情で「今日の出席から席替えで一番前の席だから・・・」「それで先生の大きな声がますます大きく聞こえてしまうから・・・」以前から新担任の大きな声には嫌悪感を抱いていたのは知っていた。

また、以前、最前列の席の子が先生に怒鳴られていたのを目の当たりにしていて、もしかしたら僕も怒られるのではとも語っていた。

なるほど、行きたくない理由はそういうことだったのか。小学校、高学年にもなるとなかなか親にも本音を言わない年齢になりますね。でも、こうやって言ってくれたことがとてもうれしかった。もし朝、怒鳴って無理やり学校に行かせていたら、こうやって話してくれてはなかっただろう。

本で読んだ認知行動療法の実践

本で読んで学んだ簡単な認知行動療法を試してみることにした(詳しくは下記の「不安を乗り越える方法」より)

「行きたくない理由はよくわかったよ、話してくれてありがとね。今の不安感は100点中何点?」

少し考え「70点ぐらいかなー」

じゃあ次に、180度考えを変えて「そんな状況でも行ける自分を思い浮かべてみて」

〇〇だから、自分は大丈夫」という風に一緒に考えてみようか。

そこで息子の同感を得ながら次のことを考えてみた。

  • 後ろの席では先生の声、聞こえる音量は50だった。最前列になって70には上がるけど、ママが自分を叱る音量も70で同じだから気にならない。
  • ママが叱るとき音量が急に上がるけど気にならない。だから、たとえ先生が急に音量上げて誰かを叱っても気にならない。
  • たった、1か月だけの席(また席替えする)だから、少しは我慢できる。
  • 担任の先生が授業を行うのは1日に多くて2回だから、少しは我慢できる。
  • よく考えれば他の先生に比べ、飛びぬけて大声ではないから少しは我慢できる

「じゃ、もう一度聞くよ、今の心境、心配は100点何点?、前は70点だったけどどうかな?」

「ん、、、、65点

少しだけど心配数値が下がりよかったと思った。今回は身近な事と比較して同程度、または大したことないと認識させることができた。過去の経験からでも自信を持たせることもできるでしょうね。

再確認

夜、寝る前に息子を呼び、今日一緒に考えた上記のことを再確認した。また他に考えられることを考えましたが、浮かんできませんでした(笑)ここでは、「じゃ、明日は大丈夫だよね?行けるよね?」とプレッシャーをかける言葉は使いませんでした。プレッシャーを与え、強要するのは今は逆効果になりそうだから。あくまでも確認だけですませました。

元気に登校

翌日、朝、起きるようにと声をかけました。内心はドキドキです。昨日と同じで起き上がれないか、それとも起きてくるか・・・

結果は、普通に起きてきました。嫌な素振りを見せることなく淡々と用意し登校していきました(水筒を忘れ、後で私が届けることになりましたが・・・泣笑)でも、よかったです。少しは昨日の効果があったのでしょう。彼の中では60点程度なら、心配はあるけれど行動できるレベルなのかもしれません。

心配事に対し実際チャレンジした後の感想

心配事に立ち向かい、チャレンジした結果、どうだったのかを確認することも大切だと思っています。心配したことは「大したことなかった」のであれば、自信が持て、また立ち向かうことができ、「あの時、心配したけど大したことなかったから、今回も大丈夫」と「出来る自分」として認識できたりもするでしょう。

最後に

今回は、次の日には効果がでましたが、以前、「食べ物が喉につまる心配」の時は最初の心配数値が100点だったこともあり、治るのに時間はかかりました(1週間程度)。でも少しずつ心配数値を下げれればいいと思います。焦りは禁物ですからね。

小学校、高学年にもなると本音を隠す傾向になります。その言動の裏に隠された本音を聞き出してあげることが大切なのだと思いました。息子もこれから長い人生、たくさんの不安な出来事が待ち受けています。その時、自ら今回のような手法で少しでも不安が軽減され、チャレンジし乗り越えていくことを願います。

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