ブログ作者の感想
国立がん研究センターが長年の調査の結果らしいですが、自分の生活習慣に照らし合わせて考えてしまいました。反省して止めるところ、当てはまらないので継続するところなどいろいろ見つかりました。皆さんも生活習慣を見直して、がんリスクを下げていきましょう。
国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクトより引用
能動喫煙
本研究班では、日本人を対象とした研究に基づいて、喫煙により、がん全体のリスクが上がることは”確実”と評価しました。部位別では、食道、肺、肝臓、胃、膵臓、子宮頸部、頭頸部、膀胱、大腸に対しては”確実”、急性骨髄性白血病に対しては”ほぼ確実”、乳房に対しては”可能性あり”という評価です。
また、2016年9月に厚生労働省より発行された「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」においても本研究班で“確実”と評価されたがんにおいて、喫煙との因果関係を支持する科学的根拠が十分であるとする「レベル1」と評価されています。
受動喫煙
受動喫煙については、日本人非喫煙女性を対象としたあるコホート研究で、肺腺がんのリスクは、夫が喫煙者である場合に、非喫煙者である場合と比べて、約2倍(肺がんのリスクは約1.3倍)高いことが示されました。
また、同じコホート研究で、閉経前の非喫煙女性において、家庭あるいは職場など公共の場所で受動喫煙を受けていたグループの乳がんリスクは、受動喫煙のないグループの2.6倍高いことが示されました。
また、受動喫煙と肺がんの関連を報告した9研究(4件がコホート研究、5件が症例対照研究)を合わせて解析するメタ解析では、受動喫煙と肺がんに有意な関連が示され、受動喫煙のある人はない人と比較して、肺がんのリスクが1.3倍であると推定されました。
この結果から、肺がんとの関連は「確実」であると評価が格上げされました。非喫煙者において、受動喫煙を避けることにより、がんのリスクが低下することが期待出来ます。更に、心臓病、呼吸器疾患、副鼻腔がん、胎児発育(低出生体重児など)のリスクが低下する効果もあります。
飲酒
本研究班では、日本人を対象とした研究に基づいて、飲酒によりがん全体のリスクが上がることは”確実”と評価しました。部位別には、肝臓、大腸、食道のがんにおいてその影響が”確実”、男性の胃、閉経前女性の乳房を”ほぼ確実”としました。その他、多くのがんについてはいまだに“データ不十分”と判定されています。
飲む場合はアルコール換算で1日あたり約23g程度まで。
日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、焼酎や泡盛なら1合の2/3、ウィスキーやブランデーならダブル1杯、ワインならグラス2杯程度です。
飲まない人、飲めない人は無理に飲まないようにしましょう。
減塩
日本人を対象としたあるコホート研究では、食塩摂取量の多いグループで胃がんのリスクが高まることが男性で示されました。女性でははっきりした関連は見られませんでしたが、いくら、塩辛、練りうになどの特に塩分濃度の高い食品をとる人ほど胃がんのリスクが高いことは男女共通して見られています。
日本人を対象としたあるコホート研究で漬物、塩魚、塩蔵魚卵などの塩蔵食品はがん全体、また、胃がんのリスクを上げることが示されています。一方、ナトリウム全体としてはがんとの間に特に関連は認められていません。
食塩・高塩分食品の摂取量を抑えることは、日本人で最も多い胃がん予防に有効であるのみならず、高血圧を予防し、循環器疾患のリスクの低下にもつながるでしょう。
1日あたりの食塩摂取量としてはできるだけ少なくすることが望まれますが、厚生労働省は日本人の食事摂取基準として、男性は7.5 g未満、女性は6.5 g未満を1日あたりの目標値として設定しています(厚生労働省策定 日本人の食事摂取基準2020年版)。国際的には、5~6g未満が目標とされていますが、日本食の特性を考えると、困難な目標と思われます。
野菜・果物とがん
本研究班での野菜・果物の評価は食道がんのリスクが低くなるのは”ほぼ確実”、胃、および肺がん(果物のみ)のリスクが低くなる”可能性がある”というものでした。
熱い飲食物
本研究班では食道がんのリスクは熱い飲食物の摂取によりリスクが上がるのが”ほぼ確実”と評価しました。
飲食物を熱い状態でとることは食道がんのみならず食道の炎症のリスクを上げることを示す研究結果は多数あります。飲食物が熱い場合はなるべく冷ましてからにして、口腔や食道の粘膜を傷つけないようにしましょう。それにより、口腔・咽頭や食道のがんのリスクが低下することが期待出来ます。
加工肉と赤肉
本研究班では、女性において、ハム、ソーセージなどの加工肉および赤肉(牛・豚・羊など。鶏肉は含まない)は大腸がんのリスクを上げる”可能性がある”と評価しています(男性では”データ不十分”と判定)。国際的な基準では赤肉の摂取は1週間に500gを超えないようにすすめています。
身体活動
本研究班では、日本人を対象とした8研究に基づいて、身体活動は、大腸(結腸)がんのリスクを下げることは”ほぼ確実”と評価しました。
日本人を対象としたあるコホート研究では、仕事や運動などからの身体活動量が高くなるほど、がん全体の発生リスクは低くなることが示されています。さらに、身体活動量が高いとがんのみならず心疾患の死亡のリスクも低くなることから、死亡全体のリスクも低まることが分かりました。身体活動量を保つことは、健康で長生きするための鍵になりそうです。
体形
本研究班では、日本人を対象とした研究に基づいて、肥満は、閉経後乳がんおよび肝がんのリスクを上げることは”確実”と評価しました。また、大腸がんに対しては”ほぼ確実”、膵がん(男性BMI30以上)、子宮内膜がん、閉経前乳がんでは”可能性あり”と評価しました。
がん全体としてみたときは、男性においてBMI 18.5未満のやせについて、また、女性においてBMI 30以上の肥満においてリスクが上昇することは“可能性あり”と評価しました。
高身長の評価は、大腸(結腸)がんのリスクを上げることが”ほぼ確実”としました。